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淫と乱
第6章 ネバネバ
【啓太 View】
あんなの相手に出来ねぇと、階段を駆け降りた。
とにかく、学校から出ないとヤバい気がしてならなかった。
慌てて階段を下りた二フロア目。
階段に何か黒い物を見付け、思わず足が止まった。
躊躇う事も無く指先で抓んで持ち上げれば、ユラユラと揺れる黒い生地。
「…これは…」
思わず声が出た。
殆ど紐だけで、生地なんてほんの少し。
それすらも、向こう側が見える程のスケスケ。
瞬間的にショーツだと把握した、思春期真っ盛りの俺。
エロい下着に目を奪われながらも、屋上に残してきた真希ちゃんの姿が思い浮かんできた。
フェンスを掴んで立ちバックになっている真希ちゃんの姿。
メロンみたいにでかくて、プニプニしたマシュマロおっぱい。
首元に擦り上げたブラジャーも、抓み上げたショーツと同じ様な黒いヤツだった。
おまけに、あっても無くても良いと思いたくなるくらいの生地の少なさ。
「………くそっ」
見捨てた罪悪感が込み上げてくる。
訳分からねぇヤツらが蠢く光景が頭を過ぎる。
ショーツをぶら下げた儘、足が動かない。
どれくらい立ち止まっていたのか分からなかった。
気付けば、廊下を通る生徒が俺を怪しげに見ながら、そそくさと逃げるように居なくなっていた。
俺が不良だから恐れられてもおかしくはない。
「あの人…持ってるの……」
「シッ……聞こえるよっ」
「あれ…パンツ……だよね…」
「良いからっ……犯される前に行くよっ」
不良だから誰も近付いて来ないだけだ。
絶対、そうに違いない。
不意に、大魔王ごっことか言う一人遊びをしていた真希ちゃんの笑顔が浮かんだ。
学校じゃ誰にも向けられた事の無い笑顔。
あの娘は俺に対して、笑顔を見せてくれた。
「……あぁっ! くそっ!!」
俺の体は反転して、手はショーツを握り締め、足は誰も通らない階段を駆け上がっていった。