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淫と乱
第7章 グイグイ
【杏子 View】
分からない。
気付いたら、薄暗い部屋の中に居た。
バレー部の部室を覗いて、異質な光景に慌てて誰かを呼びに行った筈。
そこからの記憶が途切れてる。
今は何時で、何処に居るのかさえ分からない。
薄暗い部屋の固い所に寝転がらされているのは分かる。
体を揺らせば、ガタガタと音が鳴る。
後ろ手に組んだ腕と脚は動かせない。
ボンヤリと見える人影に解けと言ってもはぐらかされる。
正直、男勝りと言われても、怖いものは怖い。
しかし、頭に残るバレー部の女の娘たちの姿を思えば、そんな事は言ってられない。
「……早く解きなさいよっ!!」
あたしの声が窓の無い部屋に響く。
体を動かせばガタガタと音が鳴る。
やはり動けない。
「……自分の体を大事にした方がいいですよ?」
暴れるあたしに何か言ったらしい。
聞き覚えのあるような無いような声が吐き出した言葉。
暴れていて、良く聞いていなかった。
「なっ!? 何言って………えっ…?」
でも、聞き捨てならない言葉に、言葉を吐き出した時だった。
いきなり声が出なくなった。
正解には、口に何かを詰め込まれて出せなくなった感じ。
ボンヤリと見える人影が動いた形跡は無い。
ただ、何かを操作しているだけ。
何をされたのか分からないだけに驚くしかなかった。
「さぁ、アンズ先生……。色々とお願いしますよ」
その言葉に、体を強張らせるしかなかった。