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淫と乱
第7章 グイグイ
 
 慌てて視線を向ける。

 アンズ先生と視線が合った。

 鋭い眼差し。

 先程までのプリプリした尻の代わりに、怒髪天を衝く形相のアンズ先生の顔が飛び込んできた。

「えっ!? えっ!?」

 手元に視線を落とす。

 タブレット端末の画面は真っ暗。

「ちょ、ちょっと……」

 いくら指を滑らせても、スイッチを押しても画面が点く事は無かった。

「…まさか……」

 充電切れ。

 見付けてから、色々と弄り回していたツケが出た。

「…アンタ……確か………」

 ガタッと机が鳴る。

 同時にアンズ先生が近寄って来る気配に体が強張る。


…いや……いくら何でも…アンズ先生は女………
…男の力には………


 こうなったら力付くでいくしかない。

 強姦になっちまうけど、ここまで来たら最後までヤってやる。

「…済みませんねぇ……アンズ先生ちょっ……フブッ!」

 腕を伸ばして掴み掛かろうとした時だった。

 アンズ先生の手の方が早かった。

「まさか、あたしを力付くで犯そうなんて……出来るとでも?」

 そうだった。

 アンズ先生、ヘタなヤツより余程強かった。

 鼻から出る液体が止まらない。

「そんなモンじゃ済まない…よっ!」

「ウゲッ!!」

 ムスコからの堪えがたい衝撃。

 激痛に蹲る。

「ホントはもっと痛めつけてやりたいんだけど、アンタに構ってる暇は無いんだよっ」

「ウゲッ!!」

 蹲った頭上から声が振り掛かった瞬間、激しい痛みが後頭部から走った。

「後は…こいつもねっ」

 バキッという破壊音。

 明らかにタブレット端末が壊された音に、絶望感を感じずにはいられなかった。

 床に顔を押し付けながら痛みと絶望感に打ちのめされていると、アンズ先生が足早に部屋を出ていく音が聞こえた。


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