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淫と乱
第7章 グイグイ
 
【真希 View】


「う…う…ん………」

 目を開ければ白い天井。

 背中に柔らかな感触と、体に感じる軽くて柔らかい感触。

 顔を軽く左右に振れば、右に白い壁と左に白いカーテン。


…保健…室?


 微かに鼻を突く独特な臭いと雰囲気に、保健室のベッドに寝かされていると分かった。

 屋上に居た筈。

 台なし先輩に潮を噴かされた筈。

 そこからの記憶が無い。


…今…何時…なんだろ……


 何と無く薄暗い。

 気怠さを覚えながらも、体を起こしてグラウンドに面した壁へと視線を向ければ、生徒が部活に励む姿が飛び込んできた。

 ボールを追い掛ける坊主頭や、ひたすらトラックを走り回る生徒。

 はっきりした時間は分からずとも、明らかに放課後である事は分かった。

「んーっ………」

 取り敢えず、気怠さを紛らわす為に両腕を上げて伸びをする。

「んはぁ…」

 多少は楽になったところで、ベッドから出ようと体を動かした。

 布団をずらして脚を床へと下ろした瞬間だった。

「にぇえぇっ!?」

 違和感に視線を落とすと、慌てて布団に戻った。
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