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淫と乱
第7章 グイグイ
結論から言えば、下半身はすっぽんぽんだった。
…どうしてどうしてなんでなんでぇ?…
頭の中がグルグル。
ノーパンだったのは覚えている。
屋上から保健室に来るまでの間に何があったのかサッパリ。
視線を周囲に向けても、スカートは見当たらない。
…まさか…真希………
…無意識にスカートも穿かないで……屋上から保健室まで歩いて来たとか………
「うにゃぁぁぁっ!」
有り得ないだろうけど、有り得そうなだけに恥ずかしさがハンパない。
頭まで布団を被って身悶える。
「…何やってるブルっ?」
「…あれ?」
布団越しに聞こえた甲高い声。
ソーッと鼻の下まで顔を覗かせてみると、赤い携帯がふよふよと宙に浮かんでいた。
「…あ、何か久し振り」
「……相変わらず真希っちはマイペースだブルっ」
「ん? 何で?」
「…何で此処に居るか不思議じゃないブルっ?」
「…あー…そう言えばそうだねぇ」
「……はぁ……」
何か、自分の携帯に呆れられた。
「…真希っちのバッグから抜け出したブルっ」
「って、廊下ふよふよ浮いてきたのっ!?」
思わず布団を跳ね上げて、つくちゃんに詰め寄る。
誰かに見られたらどうするんだつくちゃん。
空飛ぶ携帯なんてないのに、怪しさ満点。
てか、バッグから抜け出すって、手も無いのにどうやったんだろ。
「…企業秘密だブルっ」
真希の疑問をその一言で済ましたつくちゃん。
「…と言うか、真希っち……」
「な、なに?」
いきなり声のトーンが落ちた。
何と無く、シリアスな雰囲気に固唾を飲む。
「…露出好きの痴女っぷりは分かってるから、早くスカート穿くブルっ」
つくちゃんの言葉で下を見る。
うん。
ワレメちゃんがこんにちはしてた。
「にぇぇぇっ!?」
再び布団を被ったのは言うまでもなかった。