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淫と乱
第7章 グイグイ
『…真希っち、避けるブルっ!』
いきなり脳に語りかけてくるつくちゃん。
「ふぇっ!? えっ?」
そんなアクション女優じゃあるまいし、突然言われたって無理。
いつの間にか、数本の白い包帯が宙に浮いていた。
それが素早く真希の方へと伸びて来れば、どう考えたって避けられない。
高くジャンプして避けるとか、床を転がって避けるとか、アニメの世界じゃあるまいし無理。
アニメ声だけど無理。
「うわっ!?」
無理無理考えていたら、あっという間に両腕に巻き付く包帯。
両腕を水平に持ち上げられて、ギリギリと締め付けてくる。
『…とろい真希っちに俊敏さを求めた時点でダメだったブルね』
右手で握ったつくちゃんの呆れた声。
てか、付喪神なんだし助けて欲しい。
「ククッ……思ったより簡単に捕まるねぇ」
ニコニコがニヤニヤに変わったイケメン先生。
やっぱり、この包帯はイケメン先生が操ったっぽい。
「どんな手品か知らないけど、これ外してっ」
両腕を上げられた儘、徐々に体が浮いていく。
床から脚が離れても、包帯は切れる事も無く真希の腕に巻き付いていた。
「ククッ……手品ねえ……」
「帰るから早く下ろしてっ。
イケメンだからって、付き合うつもりなんてないんだからっ」
十字架に張り付けられたキリストの様に、両腕を広げて宙に浮いた状態。
ちょっとツンデレっぽく言いながら脚を動かし、体を捩らせてジタバタと藻掻く。
「…何か…危機感無いだろ…」
『…真希っち……シリアス感ないブルね……』
同時に呆れられた。
てか、助ける気は無いのか、つくちゃん。
「良いから早く下ろしてぇっ」
「なら、もう少し手品に付き合って貰おうかなぁ」
付き合わないって言ってるのに付き合わされた。
「ちょ、ちょっとぉっ!? きゃぁっ!」