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淫と乱
第7章 グイグイ
それにしても臭過ぎる。
プンプンと臭いが鼻を突いて、強い臭いに頭がクラクラとしてくる。
理事長の背後にある窓は全開。
それにも拘わらず、キツイ臭いに眉が勝手に寄っていく。
一体、理事長室でナニをやったんだ理事長。
「実はバレー部の部室で………」
デスクに両肘を着いて見上げてくる理事長に言葉を吐き出す。
バレー部の部室を覗いた光景を報告しなきゃならない。
ならない筈なのに、強い臭いで頭がクラクラしているせいか、言葉が続かない。
一段と顔を顰める。
「ちょっと、ソファーに座って話しますか?」
理事長の言葉に素直に従う。
立っていられるのが不思議な程に頭がクラクラしてくる。
…あたし…何で……
…この…臭いの…せい…?
柔らかいソファーの弾力を背中に感じながら戸惑う。
「……ワシ……体力…持たないぞ…神様………」
何か事情を知っているような理事長の呟き。
しかし、あたしはそれに突っ込む事も出来ずに、ソファーの背凭れに体を預けるしか出来なかった。
「理事…長……あたし……」
「三瀬くん…スマンねぇ………」
辛うじて言葉を吐き出したあたしの傍に立つ理事長。
強い臭いのせいか、一度ソファーの背凭れに背中を預けた体は動かない。
理事長の手があたしに伸びてくる。
いつもなら軽く払う事が出来るのに、体が言う事を聞いてくれない。
悪いと言いながらも、理事長の細い腕はあたしの胸を鷲掴みにしてきた。
「理事長……何…を………」
言葉を満足に吐き出せない程に、臭いに思考を狂わされていた。
「…ワシにも……らんが……勝手に………」
何か言い訳染みた言葉が、途切れ途切れに聞こえた。
しかし、意識を混濁させたあたしに、その言葉を理解する余裕は無かった。
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