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淫と乱
第10章 砂浜
 
 分かってはいた。

 分かってはいたけれども、アタシは打ちのめされた。

「…美奈ちゃん? どうしたの?」

 白いビキニでそれなりに頑張ってみたアタシの前で、小首を傾げて覗き込んでくる爆乳ちびっ子。

 同性からも、綺麗とも可愛いとも言われてる整った顔立ち。

 それはどうでもいい。

「ねぇねぇ」

 覗き込んでいるから、若干前屈みになっているのも仕方ない。

「美奈ちゃぁん?」

 肩を掴んで揺らしてくるのも、アタシが無反応だからだと分かってる。

 頭がガクンガクンと揺れるけど、アタシの視線は一点に集中していた。

 体が揺すられる度に、アタシのおっぱいじゃなくて、真希の胸に付いた小玉スイカがユッサユッサと揺れる。

「……アンタ……アタシに喧嘩売ってる?」

「はぇ?」

 抑揚の無いアタシの言葉に、小首を傾げる真希。

 分かってる。

 悪気が無いのは分かってる。

 結局、アタシが勝手に嫉んでいるだけなのも分かっている。

 しかし、アタシよりもちびっこい真希の方が、アタシよりも発育が良いのが納得出来ない。

 ちびっ子のくせに、ギリギリの布地しかない黒いマイクロビキニなんて物を着て、豊満な体を見せ付けられている。

 アタシだって人並みには発育している筈なのに、真希と並ぶと貧相に見える自分のおっぱいと体型に食らったダメージは大きかった。

「あらあらぁ?」

「何してんの、アンタら」

 神様はまだアタシにダメージを与えるつもりらしい。
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