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淫と乱
第10章 砂浜
 
【杏子 View】


 チラチラと後ろに視線を向ける。

 赤らんだ顔を俯かせ気味に、歩いている恭子姉の姿。

「ホントに…平気?」

 思わず脚を止めて声を掛ける。

「大丈夫よぉ」

 近付いてくる恭子姉の口調は、いつもの聞き慣れた緩い口調。

 それでも、顔は赤く、心なしか瞳は潤んでいる。

「熱中症とかじゃ…ないよねぇ?」

 あたしの口調はすっかり二人で居る時のものになっていた。

「だから、大丈夫ぅ」

 ニコッと笑みを浮かべる恭子姉。

 その視線があたしに向いていないのに気付いた。

 チラチラと赤井先生の方へと向いている視線。


…まさか……赤井先生の事……


 赤らんだ顔に潤んだ瞳。

 盗み見るような視線。

 どう見ても、赤井先生を意識しているとしか思えない。


…恭子姉の好みとは思えないんだけどなぁ……


 結婚式の時だけ見た旦那さんとは、殆ど真逆なタイプ。

 それだけに、恭子姉の態度が気になってくる。

「きょ、恭子姉……あの………」

「ちょっと飲み物買ってくるわねぇ」

 あたしの言葉を遮って、いきなり方向転換した恭子姉。

「えっ? あ、ちょっとっ」

 恭子姉に声を掛けても、何処か内股気味に歩いていく。

 パラソルの所に戻れば、飲み物なんていくらでもある。

 第一、見る限り、恭子姉は手ぶらだった。

「どうしたんですかねぇ?」

「さ、さぁ?」

 横に立った赤井先生の言葉。

 あたしの方が知りたい。

 小さくなっていく恭子姉の背中を見詰めるしかなかった。

「取り敢えず戻りますか、ガハハッ」
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