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淫と乱
第11章 岩陰
 
【薄井影人 View】


 目を開けたら、白い生地に覆われた程好い大きさのおっぱいが目に飛び込んできた。

 その向こうには、何故か赤らんだ顔。

 頭の下には柔らかい感触。

 びっくりした。

 瞬時に、膝枕をされていると分かった。

 普通の服装ならまだしも、水着での膝枕。

 後頭部が乗っているのは生の太腿。

 顔の脇には、薄い生地に包まれただけの股間。

「うわっ。ご、ゴメンっ」

「きゃっ! ちょ、ちょっとっ」

 状況を把握する度に、下半身へ血液が集まっていくのを感じ、慌てて飛び起きた。

 霧島さんと仲の良い女子の声がする。

 若干、まだ頭がクラクラするけど横になんてなっていられない。

 何で彼女がオレに膝枕をしてくれたのか分からない。

「ま、まだ、横になってない………」

 飛び起きた反動の儘、その場からバッグを咄嗟に持って逃げ出した。

 盛り上がった海パンの股間を見られる訳にはいかない。

 取り敢えず、親切で膝枕をしてくれていた彼女に興奮したなんてばれたくなかった。

 砂の熱さがオレの足を加速させる。

「んはぁ…はあっ…はあっ………」

 それでも運動が得意でもないオレ。

 砂浜というのもあって、暫くすると息があがった。

 振り返れば、彼女がこっちを見ているのが分かる程度の距離。

「はぁっ…はぁっ……し、仕方ない………」

 ホントは後で使う予定だった。

 しかし、股間をもっこりさせた儘、砂浜を歩く勇気はない。

 彼女の視界から外れるように岩場の陰へと移動すると、バッグの中から小瓶を出して液体を含んだ。
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