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淫と乱
第1章 プロローグ
明るい陽射しが射し込む、白を基調とした明るい雰囲気のリビング。
「ふんふんふぅん……」
木目が美しいテーブルに、鼻歌混じりに料理を並べていくエプロンを纏った女性。
明るい部屋に合わせたような明るい茶色の、ウェーブの掛かる肩までの長い髪を靡かせながら次々と料理を運んでいく。
見た目にも仕種的にも若々しい女性。
フリルを施したエプロンが、一段と女性の若々しさを際立たせていた。
「んもぉ……早くしないと遅れちゃうのにぃ………」
粗方並び終えたところで時計へと視線を向ければ、困惑の表情を浮かべだす。
左の目尻にあるホクロを狙っているかのように、左手の人差し指を当てる。
その左腕の肘は胸の前で横にした右腕の上。
その右腕には、左腕の他にも撓わな胸が乗せられていた。
「真希ちゃんは良くても…私が困るのにぃ………」
危機感を滲ませる言葉にも拘わらず、吐き出された口調は間延びした暢気なものだった。
それでも、やはり時間が気になるのか、点け放しのテレビの時計までも気になりだしてソワソワしだす。
「もう…起こしに行こ………」
「ふぁあ……おはよぉ………」
痺れを切らした女性が脚を運ぼうとした瞬間、リビングの扉が開くと同時に欠伸混じりの暢気なアニメ声が耳に届いた。
「あらあらぁ……真希ちゃんったら…またぁ………」
その声に振り返れば、リビングに姿を現した真希の姿に女性は声を洩らさずにはいられなかった。