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淫と乱
第2章 ヌメヌメ
 
 突然、頭がボーッとしだした。

 何か、頭の中に白い靄が掛かったように、逃げる思考が薄らいでいく。

 徐々に強く感じる生臭さ。

 感じれば感じる程、体が動かなくなっている。


…一体……どうして………


 戸惑いに、触手を避けていた体が止まる。

 触手の丸い先端が向かってくるのが分かる。

「い…イヤ………」

 辛うじて言葉を吐き出しても、薄まる思考に体は動いてくれなかった。

 まるで逃げるが出来ないと分かっているかのように、ゆっくりと近寄ってくる触手。

 生々しくグロい姿に、視線は釘付けになって表情は強張る。

「来ない……で………」

 部長を気にする余裕は無くなった。

 掠れた声で拒否する事しか出来ない。

 それでも、アタシの懇願なんて無視して、テラテラした触手の先端が近付いてくる。


…も…もう……アタシも………


 他の部員たちのように犯されるのかと思わざるをえなかった。

 そんな思いが頭を過ぎった時、新たな感覚が体に芽生えた。


…嘘……何で………


 カラダが何故か熱い。

「はぁ……はぁ………」

 熱を逃そうと、勝手にクチから熱い吐息が洩れだしていく。

 ヌメヌメしたグロい触手が迫る度に、カラダの火照りは強さを増していった。
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