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淫と乱
第14章 結末
「……………」
つかず離れず、並んで歩く美奈ちゃんと薄井くん。
「…真希っち…視線怖いブルっ」
その後ろを歩く真希の隣で、ふよふよ浮いてるつくちゃん。
「…一体…どゆ事?」
「…あー……ブルっ」
真希のジト目攻撃を食らい続けて、主語が無くても察したつくちゃん。
「…ちょっと記憶を操作した…ブルっ」
何だ、このハイスペックな携帯。
いや、付喪神だけど。
「…美奈っちは前から知ってるって設定にしたブルっ」
「…薄井くんは?」
「…同じ…ブルっ」
ホントに何なんだつくちゃん。
欠点が充電だけで、後は何でも出来そう。
「………で?」
真希の追及はこれだけじゃ済まない。
「…あ…えーと……ブルっ」
つくちゃんも終わるとは思って無かったらしく、言葉を詰まらせる。
「美奈ちゃんと……何を…?」
「…あ……それは…ブルっ」
何と無く、つくちゃんの事だから察しはつくけど問い質す。
「何を取り引きしたのかなぁ?」
「…だ…だから……ブルっ」
また、何だか楽しくなってきた。
「美奈ちゃんと薄井くんに……何かあった?」
明らかに雰囲気が違う、あの二人。
「…え…えーと…ブルっ」
分かり易い動揺をありがとう。
「もしかしてさぁ。美奈ちゃんのお尻から出てたのっ………」
楽しくなっていた所に、一気に寒気が襲ってきた。
視線を前へと向けてみる。
「……………」
前に般若が居た。
美奈ちゃん、可愛い顔が台無しだよ。
「…ご…ごめんなさい」
謝る選択肢は間違っていない筈だった。