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淫と乱
第14章 結末
【杏子 View】
闇雲に走り続けた。
「うわぁ…何…あの痴女………」
「すっげえ…ブルンブルンしてんじゃん………」
とにかくパラソルの下から離れたくて、おっぱいを隠している余裕も無かった。
擦れ違う人たちの蔑む言葉と、激しく上下するおっぱいに突き刺さる視線。
恥ずかしさがハンパない。
人気の無い所に逃げ込みたかった。
「………ぁ……んぁ……あぁっ………」
息を切らせて走るあたしの耳に、艶のある声が飛び込んできた。
明るい真昼間の、爽やかな砂浜に相応しくない艶めかしい声。
さっきまで、あたしのクチからも出ていたのと同質の声。
…一体…何処で……そんな事………
さっきまであたし自身も声を出していただけに、余り強くは言えない。
言えないけど、教育者としての身上があたしの脚を止めた。
「ねえねえ、お姉さん。欲求不満なのかなぁ?」
「俺らが解消してやるよぉ?」
瞬間に声を掛けてくる、軽薄そうな男たち。
「あたし、そんな暇無いから………」
「そんなデカパイ丸出して言っても、説得力無いよぉ?」
確かに。
ローション塗れのおっぱいに、イヤらしいおツユまで染み込んでる水着。
冷たく言い放っても、どうしたって、男を誘ってるとしか思えない。
「だからさぁ。俺たちが………」
「んあっ…あっ……あぁっ!」
しつこく言い寄る男の声を遮る喘ぎ声。
「お姉さんをひいひいよがらせてやるよぉ?」
男たちにも聞こえてる筈なのに、二人はあたしの体を舐め回すように見ながら言い寄るだけ。
おかしすぎる。
「ちょ、ちょっと退いてよっ」
火事場の馬鹿力がまた出た。
男たちを押し退けて、あたしの脚は再び駆け出した。