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淫と乱
第2章 ヌメヌメ
明かりが灯る体育館の出入り口付近に立っていた。
まだ、最終下校ではないだけに、明かりが点いている事自体はおかしい事ではなかった。
「…今日は……」
「確か女子のバレー部が使ってる筈ですよ、ガハハッ」
思い出そうと呟いたら、勝手に答えてくれた。
有り難い事は有り難いけど、最後のバカ笑いはいらないと思った。
「…ですよねぇ」
でも、そんな事を思っているとは微塵も感じさせないように、ムキムキ教師の方へは顔を向けずに相槌を打った。
「しかしぃ………」
体育館に違和感がありすぎた。
照明が点いているなら活動している生徒たちの声なり、ボールが弾む音なりが聞こえてもいい筈だった。
「休憩中じゃないですかね、ガハハッ」
私の考えている事を察したのか、声を挟んでくるムキムキ教師。
何処にバカ笑いをする要素があるのか、私には分からなかった。
それよりも、既に最終下校の時間が迫っているだけに、休憩は有り得なかった。
「それともぉ………」
「もう、帰る準備でもしてるんじゃないですかね、ガハハッ」
さっきから、まともに言葉を吐き出していない気がする。
「でも、それなら話し声くらいはぁ………。
黙ってるの苦手な娘たちばかりですしぃ」
「ま、まぁ…そう言えば……ガハハ………」
何か勝利感を覚えた。
と言うか、ガハハは言わなきゃいけない縛りでもあるのか気になり掛けた時だった。
「まぁ、覗いてみれば分かりますよ、ガハハッ」
自らを奮い立たせたのか、言葉に勢いを取り戻したムキムキ教師。
見た目は重そうな鉄扉をソーッと引いたのだった。