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淫と乱
第1章 プロローグ
【真希 View】
「おはよぉ」
開け放しの扉から脚を踏み入れ、中に居るクラスメートたちに声を掛ける。
「はよぉ、霧島さん」
「はーよー、霧島ぁ」
「真希ちゃん、おはよっ」
「霧島さん、はよっ」
次々と挨拶を返すクラスメートたちの声を聞きながら、教室の真ん中にある自席へと腰を下ろす。
「真希、おはよっ」
椅子に座れば、背後の席に座る女子から挨拶される。
「美奈ちゃん、おはよぉ」
振り返って挨拶をすれば、ショートヘアで小麦色の肌をした美奈ちゃんは、ニカッと笑みを浮かべて白い歯を覗かせた。
「今日も相変わらず…だねぇ」
唐突にニヤニヤしながら美奈ちゃんは言葉を吐き出した。
「ん? んん?」
ニヤニヤしている理由が分からずにコテンと小首を傾げれば、美奈ちゃんは大袈裟に溜め息を吐き出した。
「はあぁっ……。真希が天然だってのは薄々気付いてたけどさぁ?」
「な、何が?」
「まぁ、狙ってやってるなら女子連中は黙ってないんだろうけどさぁ……
勿論、アタシもね」
ニヤッとした笑みを浮かべながらも、鋭い視線が突き刺さる。
「だ、だから……何がぁ?」
依然として理由が分からない。
思わず声を張り上げると、瞬間に静まる教室。
チラチラと周りに視線を向ければ、クラスメートがみんなこっちを見ていた。
「え、えっと………」
大声をあげた事で注目され、途端に恥ずかしさが込み上げてくる。
「因みに……それだけじゃないから………」
「だから……何なのぉ?」
何処か見透かした言葉を吐き出す美奈ちゃん。
さっきの二の舞はイヤだっただけに、声を潜めて訊き返した。
しかし、その言葉に美奈ちゃんからの返事は無かった。
代わりに、両手で頬杖を着いていた右手で脚元を指差してきた。
「ん?」
美奈ちゃんの人差し指が差す場所へと視線を向ける。
「…っ!?」
目にした光景に、一気に顔が熱くなった。