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淫と乱
第4章 ブルブル
 
「…だからね? 付喪神が憑いている訳ですよ」

「は、はい……」

「…おまけに付喪神が操っている訳ですよ。ここまでは分かりますね?」

「は、はい………」

 何故かまた怒られてる。

 しかも、お尻を突き出した前屈みの体勢の儘。

 語尾に『ブル』も無く、やけに丁寧な口調のつくちゃん。

「…死ぬ事の無い付喪神が憑いている携帯が壊れるとでも?」

「いやぁ…いくら神って付いてても……壊れる物は壊れ………」

「口を挟まないっ」

 とうとう、頭の『…』まで無くなった。

 思った事を口にしたら、どうもつくちゃんは気に入らないらしい。

「…はぁ……やはり真希っちはお仕置きブルね…」

「あれ? さっきもそんな事言ってなかっ……んにゃぁっ!?」

 つくちゃんの呟きに返事しただけだった。

 気付いたら、前屈みになっていた両脚は肩幅以上に開いて、両手はそれぞれに足首を掴んでいた。

「…なかなか良い眺めブルよ」

 パカッと開いた携帯のディスプレイ。

「つ、つくちゃん?
 な…何を………」

 足首から手が離せないのはつくちゃんの仕業だと分かってる。

 両脚を開いて突き出したお尻の傍で、フヨフヨ浮いているつくちゃん。

「…何もしないブルよ?」

 真希の瞳には、『撮』の文字がやけにはっきり見えた。
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