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淫と乱
第5章 ドロドロ
 
 やっぱり、何かおかしい。

 何がと言う訳ではなく、何処と無く違和感を覚える。

『…真希っち……美奈っちって、もっと活発だったブルね?』

 脳に響くつくちゃんの言葉に視線を向ける。

 真希の後ろの席に着くなり、机に俯せている美奈ちゃん。

 こんな美奈ちゃんの姿は初めて見た。

 きっと、美奈ちゃんはいつもよりアノ日がキツイに違いない。

「あいたっ……」

 俯せた儘の美奈ちゃんに何故か叩かれた。

 一晩で読心術でも会得したんだろうか。

 だとしたら、是非とも真希も習ってみたい。

「にへへ………」

『…真希っち…顔ヤバいブル………』

 会得した後を考えたら、思わず表情が緩んだ。

 しかし、何気にバッグに入ってる筈のつくちゃんは、何で表情とか分かるのか不思議だった。

『…世の中には知らなくてもいい事があるブルっ』

 また、読まれた。

 真希も読心術が欲しい。

 しかし、あまり詮索はしない方がいいのは何故だろ。

 考えれば考える程、頭がグルグルしてきた。

「うー………」

 止めた。

 考える事は嫌いじゃないけど、答えの見付からない考え事をしても朝から疲れるだけだった。

 気分を変えようと教室の中を見回してみた。
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