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淫と乱
第5章 ドロドロ
いつもと変わらない光景。
昨日の朝と大差ない光景が飛び込んでくる。
…でも…何だろ………
何かモヤモヤする。
昨夜はとうとう恭子さんは帰って来なかった。
初めての無断外泊。
慣れない手つきで、初めて『真希ちゃんはぷんぷんですよっ』と二時間掛けてメールしても返事は無かった。
つくちゃんに恭子さんの場所を訊いても分からなかった。
フヨフヨ浮くくせに、使えない携帯め。
『…真希っち……今此処でコレクション披露してみるブルか?』
ごめんなさい。
心の中で本心から謝る。
また読まれた事より、謝る方が先決。
あんな画像、思い出しただけで顔が真っ赤になってくる。
帰って来なかった恭子さんの行方もいつもと違う美奈ちゃんも、何処と無く違和感がある雰囲気。
真希のお胸の中はモヤモヤでいっぱいだった。
「んんっ?」
何気なく見回していた教室。
一人の男子と目が合ったけど、赤い顔をしたと思ったら逸らされた。
顎に人差し指を当てて小首を傾げる。
考える。
とにかく考える。
とことん考える。
「………誰だっけ?」
クラスメートの顔は分かっていた筈。
出席番号順に名前を出しても、ちゃんと顔は浮かんできた。
なのに、あの男子だけが浮かんでこない。
…まさか……違和感の原因は………
…もしかして…恭子さんが帰って来ないのも……
…美奈ちゃんがヘンなのも…
……あのウネウネとかを操ってる悪の組織の幹部とか…それとも………
『…真希っち、クラスメートの名前と顔を分からないとか酷すぎブルっ』