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淫と乱
第5章 ドロドロ
ごめんなさい、薄井くん。
出席番号は最初の方なのに、全然覚えてなくてごめんなさい。
『…影が薄いから仕方ないブルっ』
なら、仕方ない。
少しは悪いのかもしれないけど、真希が悪い訳じゃなかった。
忘れないように、しっかり覚える事にする。
前の方の席に座る、薄井影人【ウスイ カゲト】くん。
…名前…
…それだから…影が薄いんじゃ………
また、目が合った。
やっぱり、顔を赤くして慌てて逸らされる。
赤くされる理由が分からない。
ただ、何と無く、彼の纏っている雰囲気を知っている気がする。
つい最近感じた気がする。
もっと言えば昨日。
更に言えば、昨夜。
更に更に言えば、お風呂の中。
…って…有り得ないよね…
アッサリ自己完結した。
お風呂の中とか有り得なさすぎ。
…じゃあ…何で……
赤くなる理由が分からない。
何度も首を傾げる。
「はっ!? まさかっ……」
慌てて机の下を覗き込んだ。
ショーツは見えてなかった。
いつも通り、ギリギリの長さだけどセーフ。
「…アンタ……さっきから一人で何やってんの?」
「ほぇ?」
いつの間にか起きてた美奈ちゃん。
頬杖を着きながらのジト目は、真希にグサッとダメージを与えてくれた。
「は、ははっ………」
笑ってごまかそうとしても、美奈ちゃんのジト目は治らなかった。
…も…もお……誰かぁっ…
誰でも良いから、この状況から助けて欲しかった。
その時、教室の扉がガラッと開いた。