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真紅の絆
第2章 1話
「死ね!」
唸りをあげて刀が降りかかってくる。桃丸は抜くに抜けず、防戦一方になる。
と、その時。
「てめぇが死ね!」
そう言い放ち、桃丸の前に禍々しい気を纏った侍が立ちはだかった。
桃丸も、見ていた観衆もひッと息を飲んでしまうほどの殺気が背中から立ち上っていた。
殺気を一身に向けられた浪人達は顔面蒼白になる。
真の剣客は気だけで相手を圧倒するというが…。
「貴様ら、俺の桃に刃を向けたな。それは万死に値する大罪だ」
侍が刀に手をかける。
まずい!桃丸はとっさに浪人達に叫んだ。
「早く逃げて!この人本気だから!早く!!」
桃丸の言葉に呪縛が解けたのか、硬直していた浪人達が一気に駆けだす。
「逃がすか!」
追いかけようとする侍の腰を、桃丸は抱きついて制した。
「まずいですってば!争いごとはご法度!」
「はァ?俺には関係ねーよ!俺が法律だ!」
「なに言ってんですか!仮にも……でしょ?」
小声で言うと、面白くなさそうに侍が桃丸の腕をほどく。そして振りかえった。
「大体…桃、俺が間に入らなかったら斬られてたろ?って…お前!腕!!」
「腕?」
視線を移してみると、左の袖にかすかに血が滲んでいる。
さっき避けきれずに斬られたのだろう。
「クソ!やっぱあいつらぶっ殺す!」
殺気走る侍の腕を慌てて掴んだ。
唸りをあげて刀が降りかかってくる。桃丸は抜くに抜けず、防戦一方になる。
と、その時。
「てめぇが死ね!」
そう言い放ち、桃丸の前に禍々しい気を纏った侍が立ちはだかった。
桃丸も、見ていた観衆もひッと息を飲んでしまうほどの殺気が背中から立ち上っていた。
殺気を一身に向けられた浪人達は顔面蒼白になる。
真の剣客は気だけで相手を圧倒するというが…。
「貴様ら、俺の桃に刃を向けたな。それは万死に値する大罪だ」
侍が刀に手をかける。
まずい!桃丸はとっさに浪人達に叫んだ。
「早く逃げて!この人本気だから!早く!!」
桃丸の言葉に呪縛が解けたのか、硬直していた浪人達が一気に駆けだす。
「逃がすか!」
追いかけようとする侍の腰を、桃丸は抱きついて制した。
「まずいですってば!争いごとはご法度!」
「はァ?俺には関係ねーよ!俺が法律だ!」
「なに言ってんですか!仮にも……でしょ?」
小声で言うと、面白くなさそうに侍が桃丸の腕をほどく。そして振りかえった。
「大体…桃、俺が間に入らなかったら斬られてたろ?って…お前!腕!!」
「腕?」
視線を移してみると、左の袖にかすかに血が滲んでいる。
さっき避けきれずに斬られたのだろう。
「クソ!やっぱあいつらぶっ殺す!」
殺気走る侍の腕を慌てて掴んだ。