この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
宵闇
第9章 溶ける


ごくりと唾を飲み込んで、言った。


「……私ね、先輩と別れたことがつらいんじゃないんだ」


それは、もう。
仕方のないことだったってわかってる。


掠れてどうしても小さくなってしまう声のまま、続けた。


「それより、先輩から言われたことが忘れられなくて……ずっと、苦しくて」


そこまでは口にしたものの、先を言うことに少しの躊躇いが生まれる。

話してしまいたいのに、本当に話してしまっていいのかと、ずっと隠し続けていたことを言葉にすることにどうしても心が揺れる。
葉月くんに知られたくない──そういう思いも、やっぱりある。

俯いて黙りこんでしまった私に、葉月くんが優しい口調で言った。


「……何て、言われたの?」


隠さないで全部言って? と続けられる。


……全部。


きっと私はそうやって促してほしかった、とそんなずるい気持ちに気づきながらも、ここまで言ったらもう話すしかないんだと都合よく自分に言い聞かせ……そっと、口を開いた。


「さっきも言ったけど……私の初めて……先輩だったのね」


下を向いたままで。


「……そのときすごく痛かったんだけど、でも続けるうちにだんだん気持ちよくなるから、って言われて……」


うん、と葉月くんはいつもと変わらない心地いいトーンでの相づちを打ってくれた。
だから私も、こういうことを口にする恥ずかしさをもちろん感じてはいたものの、そのまま話し続けた。


/509ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ