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宵闇
第9章 溶ける
……とうとう、私はさらわれた。
再び達した身体。ひくつく体内。
ぎゅうっと、葉月くんの指を勝手に締め付けてるのが朦朧とした意識の中でなんとなくわかった。
「……っは……あ、ああ……っ……」
荒い息を漏らしながらも、身体はゆらゆらとゆっくり快楽の海を漂っていた。
目を閉じて、浸るその余韻。
……やがて、波がひく。
大きく息を吐いた私の様子を確認したのか、葉月くんがなかから指をそっと抜いた。
「あ……ん」
なくなった感覚に微かに漏れてしまった声。
葉月くんにさわられて、こんなふうになってしまうなんて──私の身体はいったいどうなってしまったのだろう。
ぼんやりと、視界に入る葉月くんを目で追った。
ティッシュを取り、私のものでてらてらと濡れているその指を拭く。
なんだか急に恥ずかしくなり、思わず目を逸らした。
──と。
再びふれられた、下半身。
溢れているものを拭われる感覚に、後始末をしてくれているのかと気づく。
「あ……自分で────」
「いいから。そのまま休んでて?」
そう制され、その言葉に素直に甘えた。
やっぱり恥ずかしかったけど、正直、拒み切る力がもう私の中には残ってなかった。
全身を襲っている心地よい気だるさ。
それを感じながら、先輩とのときは自分で始末してたっけ、と思い出す。
なんだか滑稽にすら感じたその動作はいつも虚しさを伴っていた。
でも、今は────。