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宵闇
第10章 葉月
四年間。
僕はほとんど家に帰らなかった。
たまに帰っても、友達と外出したりして、琴音とはあまり顔を合わせないようにしていた。
そのうち琴音も大学に通うため家を出たので、それからは本当に会う機会がなかった。
琴音以外の女の子を見ようと何人かとつきあったけれど、どの子も長続きはしなかった。
どうしても、比べてしまう。
琴音と。
それどころか、さらに彼女を思い出して苦しくなるのだ。
──悪循環だった。
ずっと、ずっと考えた。
どうすることが一番いいのか。
琴音に対する想いは、消えない。
彼女を、忘れられない。
離れても、より深く自分の想いを自覚させられただけだった。
なら、どうする。
どうすれば、いい────。