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宵闇
第3章 深まる
そして迎えた高校受験の秋。
志望校は、葉月くんの高校。
葉月くんがいるからそこを選んだというわけじゃなくて、前から入りたいなと思っていたそこに、たまたま葉月くんも通っていたのだ。
ちょっとレベルが高めの高校だから、頑張って勉強しないと────。
「はあ……」
リビングで勉強中、数学のわからない部分に苦戦していた私の口から思わず漏れた溜め息。
「ねえママー、数学わかる?」
食事の支度をしていたママに向かって助け船を求めると、どれどれと来てくれたものの、差し出したテキストを見て
「……こういうのは、葉月くんに聞きなさい」
と、一言。
……うう。
確かに。ごもっともです。