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宵闇
第11章 惑い


「……そんな関係、うまくいくわけないよね……」


もちろん、今だからそう思えるんだろうけど──と、混ざりこんだ過去の記憶を意識的に封じ、あらためて昨日の夜を思った。


……葉月くん────。


あれは、私が今まで経験したものとはぜんぜん違ってた。
時間をかけて、優しく、丁寧に愛してもらった身体。
もしかしたら私って不感症かも……と思ってたぐらいだったのに、すごく気持ちよくなれた。
痛いことなんてひとつもなかった。


「葉月くん……」


枕をぎゅっと抱き締めると、大好きな匂いがした。
……葉月くんの、匂いだ。


葉月くんの、唇。
葉月くんの、指。

……まだ生々しいその記憶を辿ると、なぜだろう──胸がきゅんと苦しくなる。


そっと目を閉じ、それを思い出しながら触れた胸の膨らみ。
ちっちゃいから本当は見られるのも恥ずかしかったけど……葉月くんは『可愛い』って言ってくれた。


……そして、ここ。


乳首を擦る。


「ん……!」


びくん、と身体が跳ねた。


「……は、あっ……」


こうやっていっぱい擦られて、引っ掻くようにされて……。


頭の中の淫らな記憶。
そして自分で与える直接的な刺激で、すぐに硬くなった乳首。
ぴん、となったそこを、葉月くんはこうやって────。


「あ……んっ、は……」


思い出す。
つまんで、こんなふうにくにくにと弄られたこと。


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