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宵闇
第11章 惑い
そして、土曜の夜────。
村上くんの部屋のベッド。
彼と抱き合う私がいた。
……そうなることを覚悟した上で彼の部屋に来た。
だから村上くんが求めてきたときも、抵抗するつもりはなかった。
口づけられながらベッドに押し倒される。
身体に感じる重み。
彼は何度も、桜井、と私の名を呼んだ。
上擦ったようなその息遣い。
彼の唇が……手が、私の身体に口づけ、そのかたちをなぞる。
あらわにさせられた胸に添えられる彼の手が、ゆっくりと……優しく、動く。
「……んっ」
乳首を撫でられ、思わず息が漏れた。
……大丈夫。
嫌悪感は──嫌だ、という感情は生まれてこないことにほっとしながら、目を閉じて彼の指先に集中しようとした。
──このままこうやって身を任せれば、村上くんのことだけを考えられるようになれるだろうか────。
「あ……」
指先が弄ってくる尖り。
……あのとき、葉月くんもこうやってさわってくれた。
私の身体を丁寧に、愛してくれた。
そしてそれをきっかけにそれからもう葉月くんのことしか考えられなくなっていったように。
そう……今度は村上くんを────。