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宵闇
第12章 その意味
──それは本当に突然だった。
もしかして、という言葉と、まさか、という──信じられない気持ち。
身体が、勝手に奥の方から熱くなってくる。
「……まさか」
そして勝手に口から出ていた呟きは、やっとわかったみたいですね、という彼の言葉に打ち消される。
ゆっくりとまた、合わせた視線。
どこか挑戦的なようだったそれの意味。
そう、と思えば、すべてが繋がっていく。
「……本当に?」
それでもいまだ信じられない思いが勝る。
だって──そうだろう?
ずっと好きだった琴音。
けれど兄妹である以上これはどうにもならない感情なのだとわかってもいた。
ならただの兄としてでもいいから……ずっとそばで支え続けていけたらと思っていた相手。
諦めていた。
この想いは叶わないものだと、ずっと。
なのに──彼女も?
琴音も僕のことを好きだと?
そんなことが……本当に、あるって?