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宵闇
第13章 衝動


目をぎゅっとつぶった、そのとき。


「琴音」


初めての呼び方に、え……と思考が一瞬止まった。

そのまま、掴まれた手首を引かれる。
あっと思ったときには、葉月くんの腕の中にいた。


「琴音……」


そしてまた、呼ばれる。

何度も。
……何度も私の名前を葉月くんは口にした。


「……っ……!」


それはとても優しいトーンだった。
私の目から新たにまた涙が零れる。
握った右手を唇に押し当て、漏れそうになる嗚咽を懸命に堪えた。


「……僕のことが見られないならそのままでいいから答えて」


抱き締めたまま、耳元で囁かれる吐息混じりの言葉。


「琴音は……僕のことが好き?」


優しくて、優しくて、たまらなくなる声。


「……っ、く……」


それに応えるようにこぼれてくる私の涙。


「琴音の本当の気持ち、僕に教えて?」


……言っても、いいの?


「僕が好き?」


ずっと秘めてきた私の気持ち。
言っても、許される……?


私は、本当に小さくだけど、頷いた。


「ちゃんと言って?」


言葉で、と促され……こくりと唾液を飲み込む。
それから、そっと口にした。


「……すき」


掠れてしまった呟き。
それでも葉月くんには伝わったのか、私を抱き締めている腕に力が込められる。


「葉月くんが好き……」


もう一度、繰り返した。


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