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宵闇
第13章 衝動

掴んでいた服をそのまま引き寄せ、私は強引に葉月くんに口づけた。
「────!!」
葉月くんの戸惑いが唇を通して伝わってくる。
でもわかってもらいたい。
私がどんなに葉月くんを欲しいか──葉月くんに感じて欲しい。
まさか私の中にこんな自分がいたなんて。
こんな激しい感情を持つ私が。
……それともこの衝動を──恋と呼ぶの?
「ん……っ」
葉月くんの唇を舌で割り、中へと忍ばせる。
ぬるりとした葉月くんのそれを見つけて、懸命に絡ませた。
「……っ、は……ん」
『好き』を伝えたい。
どんなに私が葉月くんを欲しているか知って欲しい──自分がしている行為に、自分が興奮を覚えていく。
……けれど次第に苦しくなった私は、は……と唇を離した。
弾む息のまま、葉月くんを見つめる。
「……すき」
何度目の告白になるのか。
葉月くんの服をぎゅっと握ったまま。
彼を必死で見つめながら。
左手が、不意にとられた。
思わずそこに目をやると、葉月くんは指をゆっくりと絡ませるようにして繋いでくる。
「あ……」
ぞくぞくと背中に何かが走っていく。
そのまま左腕全体で、肩を抱くようにされた。
手が私の後頭部に、支えるように添えられる。
「……琴音」
呼ばれるがままに視線を合わせた。
「そんなんじゃ……足りない」
たまらなく色っぽい低い声に息を飲んだ私の唇は、激しく捕らえられた。

