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第13章 衝動

「んっ……！」


最初から熱を帯びたその口づけ。
私をあっという間に夢中にさせていく。
欲しくて唇を少し開くと、葉月くんの舌はそれをすぐに察し中に入り込んでした。
私の舌を見つけ、ちゅるりと絡められ……吸われる。

逃げられない私は応えるしかない。
口の端から唾液がこぼれ、顎を伝う。


「んっ、ん……ぅ……」


たっぷりと貪られ続ける唇。
頭の中が、ぼーっとしていく。
それはまるでとろとろにとろけていく感覚。

繋がれている葉月くんの手を、思わずぎゅっ、と強く握った。


……やがて唇が解放されたとき、もう身体に力が入らなかった。

葉月くんが、私の濡れた顎を指先で拭う。


「……なんか……この前と違うよ……？」


乱れてしまう呼吸。


「あのときよりもっと……」


そう、何て言うか──煽られる、キスだった。

口には出せずそこで言うのをやめてしまったけど、でも葉月くんはすぐに悟ってくれた。


「……あのときは……なるべく感情を入れないようにしてたからね……」


そしてまた、唇が捕らわれる。
何度も何度も繰り返されるとろける口づけに……身体の芯が火照り出してくるのがわかる。


……もっと。


じくじくと、そこが疼いているのがわかる。


もっと欲しい。
……葉月くんが、欲しい────。


小さな火照りは瞬く間に私の中を広がり、確実に侵していた。