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宵闇
第13章 衝動
とうとう葉月くんはそこに自分のその先を押し当てた。
同時にぐっと力が込められ、私のそこを押し広げるようにしてなかへとはいってこようとする────。
────っ……!
それは本当に突然だった。
意図せず身体が強張る。
まるで葉月くんのものを拒むかのように反射的に腰が引いた。
同時に両腕で押した胸元。
葉月くんはそんな私にすぐに気づいた。
「……琴音?」
え……私、なんで────!?
唇を噛み、よくわからないままに首を振った。
何これ。
葉月くんが欲しいと思ってるはずなのに──なんで私こんなふうにしてるの?
勝手に拒否してしまった身体に自分でも戸惑う。
胸に渦巻く漠然とした不安。こわさ。
これはいったい何なのか────。
「どうしたの……」
無理強いをせず、優しく聞いてくる葉月くん。
そして少し遅れて急に沸き上がってきた記憶は────。
「っ、やだ……っ……」
連動するようにこみ上げてきた涙。
そう──私は思い出していた。
こんなときに、あのときのことを。
ううん、こんなときだからなのか……まだ記憶の中にある先輩との行為を、鮮明に。
先輩のものがなかにはいってくるときの痛み。
中で動かれるときの苦しさ。
……いつ終わるかもわからない、ひたすら耐えるだけのそれは苦痛でしかなかったセックス。
回数を重ねるごとに、それを知った私の身体はいつしかこんなふうに勝手に強張るようになった。
そのたびに腰を掴まれ、引き戻され、逃げられないようにされ、無理矢理に押し広げられていく私のなか。
力抜けって、と先輩の苛立ち混じりの言葉。
いやだった。全部が本当にいやで仕方なかった。
……そう、そんなふうに思いながらも結局最後まで応じてしまう自分自身も────。