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宵闇
第4章 琴音


自分の教室に戻ると、加奈がにやにやしながら近づいてきた。


「村上、やるねー」

「え? なに?」

「桜井先輩が目を光らせてるっていうのに。
告るなんて思い切ったことするわー」

「葉月くん?」


え? なんでここで葉月くんが出てくるの?


「桜井先輩、にらみきかせてるらしいよ。
琴音によからぬ男が近づかないように!」

「よからぬって……うっそだあ!」

「ほんとほんと! 桜井先輩と友達の加藤先輩って人がうちの部にいるんだけど、私が琴音と仲良しだって知ったらそう教えてくれたもん」

「えー……ほんとに!?」


葉月くんがそんなふうに──恥ずかしいような、でも大事にされてるのがわかって嬉しいような、なんだか変な気持ちになる。


「……そんなことしなくたって、私もてないのにな」


呟いた瞬間、は!? と呆れたように声を漏らした加奈は


「琴音はもてるって! かわいいし、優しいもん。でもみんな、桜井先輩を警戒してて近づけないんだって。
だから先輩が卒業した来年以降とかきっと大変だよ~」


そう言ってにやにやと私を見てくる。


「もう……加奈、大げさ!」

「大げさなんかじゃないって~」


否定を苦笑いで流し


「でもそっかー。村上もあのとおりだからもてるけど、今まで彼女作んなかったのは琴音ねらいだったからかあ~。ま、納得!」


腕組みしながら、うんうん、と頷く加奈の言動を見てはやっぱり苦笑しながら、彼のことを考えた。


……村上くん。確かに。
ルックスもいいし、明るくて。かなり人気者っぽい。
そんな人から好意をもたれて悪い気はしない。

かといって、つきあうとかはやっぱり違うんだけど────と。



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