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宵闇
第4章 琴音


「……そうなんだ……」


目に見えてがっくりきているのがみんなにもわかったのだろう。


「琴音は葉月くんにべったりだったもんね~。
寂しいんでしょう?」


ママが、わざとからかうように言ってくる。


「そんなことないもんっ」


反射的に反論すると


「……そんなことないんだ」


今度は葉月くんががっかりしたみたいに言う。


「え!? 違うよ葉月くん! 違うから!」


慌ててフォローすると、みんなおかしそうに笑いだした。

もう──! と思わず溜め息をつく。


「……ま、とりあえず合格しないことにはな」


そして笑いが途切れた時に発したお父さんのその一言に、葉月くんは頷いた。


「うん、頑張るよ」


その言葉を聞いたとき、そっか──と私は自分の勝手さに気づいた。


……そうだ。
葉月くんにとっては大事な進路。
私がわがまま言ってる場合じゃないんだ、って。

葉月くんとあまり会えなくなるかもしれないなんて考えてもみなかった私の心境はやっぱり複雑ではあったけど、でも──ちゃんと葉月くんを応援しなくちゃ、って。


「葉月くん……頑張ってね」


ようやく口にできたその言葉に


「……ありがと、琴音ちゃん」


葉月くんは笑ってそう、答えた。




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