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宵闇
第14章 彼ら
ドアを閉めて、ふう……とベッドに身体を投げ出す。
……幸せだな、って思った。
葉月くんに想いが通じて。
それを加奈がこんなに喜んでくれて。
「幸せすぎる……」
勝手に笑ってしまう口元。
滲んでいる涙を拭うために閉じた目。
そして、思い出すのは────。
「葉月くん……」
最愛の人の名前を口にすると、胸がぎゅっ……と甘く苦しい痛みに満たされた。
──2日間。
何度も何度も愛された。
葉月くんの部屋で、ずっと。
その……どうしようもなく幸せだった時間。
初めて目にした葉月くんの身体はすらりと引き締まっていて……とてもきれいで、目にしただけでくらくらと煽られた。
そんな葉月くんとするセックス。
信じられないぐらい気持ちよかった。
我を忘れるほどに夢中にさせられた。
あんなの、初めてだった。
想いが通じただけで幸せだったのに、身体を繋げたらもっともっと幸せになった────。
……好きで好きで。
もうどうしようもないほど葉月くんが好きで。
さっきまで一緒にいたっていうのに、もうまた会いたくなってる。
「葉月くん……」
心も、身体も、すべてが満たされてる。
でももっと欲しい、そうも思ってしまってる。
それは、そう──たまらず身悶えするような感覚だ。