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宵闇
第14章 彼ら


──と。
着信音が知らせてきた、メール。
確認するとそれは葉月くんからで──
その内容を目にした途端に思わず笑みが漏れる。


『琴音がいなくなった部屋の中でひとりでいるのが寂しいです。
来週末もうちに来るよね?』


……うん。行く。
必ず行くね。


『さっきまで一緒にいたのに、もう琴音に会いたい』


私と同じこと考えてる──ふふ、と思いが重なっていることに嬉しくなった。


『抱きたい』


……私も。
葉月くんに、抱かれたい────。


また胸が、甘く疼く。
それを思い出して、私のすべてが……どうしようもなく。


『好きだよ、琴音』


葉月くん────。


「……私も、すき……」


口にして、携帯をぎゅっと握りしめる。


……ふ、とそれを不意に思い出した私は起き上がり、姿見の前に立った。


「あ……まだついてる」


服の襟をそっと引っ張って確認した、左胸のその紅いしるし。
……葉月くんのものだっていう、しるし。

あのあと、内ももにも同じものをつけられた。
そこだけじゃなく、身体に、いっぱい。
いやらしいところにも、たくさん。


思い出して、思わず目を閉じる。


……消えたら、葉月くんまたつけてくれるかな。


「つけてほしいな……」


そんなことを、考えながら────。




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