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宵闇
第15章 溺れる


私の手に自分の手を添え、葉月くんがそのまま上下に動かす。
それから、手を離した。
ひとりでもそのとおりに真似る。
葉月くんのものを握り、上下に動かして刺激する。


「ん……上手……」


見上げると、彼は少し上を向いて目を閉じていた。
ほめてもらえた私は感じてる葉月くんの顔がもっと見たくて。もっともっと喜んでほしくなって──顔を近づけ、ちゅっと先端に口づける。


「────!」


びくっと葉月くんが腰をひく。
離れてしまった唇。
ん……とまた、近づけてキスをする。


「ちょっ……琴音っ!」


珍しく、焦っているかのような声に


「……だめ?」


唇を離して彼を見上げた。
何か躊躇っているかのような表情をして私を見下ろしていた葉月くんが不意に目を閉じる。
少しの沈黙のあと、はあっと息を吐きながら両手でかきあげた髪。

やがてその目が開かれ、私はまっすぐに見下ろされた。
躊躇いの色が消えたその『男』の目──受け止めた私の背中をぞくりと甘い痺れが走る。


葉月くんがぎゅっと私を抱き寄せた。


「……ったく。
ほんと可愛いな────」

「葉月く……」


口づけに、途中で奪われた声。


「いいよ……好きにして」


優しいのに、どこか欲情した目。
胸がきゅんと疼く。
たまらなくなる。


……ああもう。好き────。


葉月くんのことが好きでもう自分でもどうしようもなかった。
葉月くんにさわりたくて。
いっぱい感じてほしくてたまらなくなっていた。


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