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宵闇
第16章 囚われる

「……まあ、精神的にはそうかもだけどね」
そんな私の頭を撫でながら葉月くんが口にした言葉に、え……? と振り向く。
「琴音の、気持ちいいの我慢してる顔とか……焦らされて泣きそうになってる顔とか。
そういうの見ると、すごく、くる」
「く、くるって……!?」
思わず聞き返しながらも、本当はわかってしまった意味に顔が熱くなった。
「……でも琴音もそういうとこあるよね。
琴音のさっきの言葉で返すなら──うん、Mっぽいとこ?」
「え!? そんなのないよっ」
「あるって。琴音はたぶん、想像でも感じちゃうタイプでしょ。
自分が今どうなってるのか言われて、見えなくてもそれ想像して、興奮してくる。みんなそういうところはあるかもしれないだけど、琴音は特に」
つつ……と指でなぞられた背中。
「そういうとこ、ある────」
びくんと身体を仰け反らせながら、私は葉月くんのその何気ないはずの言葉に過剰に反応していた。
思わず湧き上がったひとつの疑問──思わず口をついて出る。
「……っ、だれと」
「ん?」
「誰と、比べて……?」
そこまで言ってから、はっと我に返った。
「違っ────……」
取り消そうとした言葉は葉月くんの背後からの突然のキスに止められる。
「っう……く……」
それはとても激しかった。
まるで貪るように私の口内を侵してくる葉月くんの舌。
息も絶え絶えに、されるがままになる。

