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宵闇
第16章 囚われる


「すき……」


唇が離れる度、呪文のように繰り返した。


「葉月くん……好き……っ」

「僕も……」


そして葉月くんの答え。


「好きだよ、琴音」


はあっと、互いの口から漏れる吐息。
視線が絡み合う。
葉月くんの熱っぽい瞳に私の胸がまた、鳴る。

だんだん激しくなる口づけ。
葉月くんは私の頭を押さえながら。
私は葉月くんの首に両腕を回しながら。
激しく……深く、口づけ合う。


「んっ、ふ……ぅ……」


なかで、葉月くんのがひときわ大きくなる感覚。
なかからもとろりとさらに潤ってくるのが自分でもわかる。


「ん」


葉月くんが、キスしたまま腰を私に押しつけてきた。


「んっ、んんっ……!」


私の喘ぎは彼の口内へと直接流れ込む。
そして彼の吐息は私の中へ。
身体と心をさらに熱くしていく、彼のその色っぽさ────。


……やがて、唇が離れた。
大きく息を吐きながら、葉月くんが私を見つめて言う。


「……琴音は僕のものだから」


ぎゅうっ……と、心臓が痛くなった。

葉月くんの首もとに、私のつけたしるしはちゃんと残ってた。
それにそっと、触れる。


……葉月くんも、私のもの。


「僕だけのものだよ……」


……私だけのもの────。


そう思うと、ぞくりとした。
実際、ふるふるっと身体が揺れてしまうほど──まるで軽く達してしまいそうな、それほどまでの幸福感。


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