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第16章 囚われる

葉月くんは、つい口元を緩ませてしまった私を満足そうに見ている。
そのまま、私の顔を見つめたまま、胸に手を寄せてそこを揉み出した。


「あん……っ」


持ち上げるように揉みしだかれ、硬くなったままの乳首を親指でくりくりと弄ばれる。


「ああっ……やあ、ん……」


そこに近づいてきた唇。
舌先でちろちろと舐めあげられた。


「ひゃあ、んっ……！」


びくびくが止まらない。

胸元を見ると、葉月くんが私の胸をいやらしく愛撫しているのが見えた。
声を漏らしながらもその様子をじっと見つめていたら、不意に葉月くんが上目遣いで私を見てきたから、目がばっちりと合ってしまって────。


「────っ！」


どくん……と心臓が跳ねた。

葉月くんはそのまま、まるで私に見せつけるように胸を揉んで、指先で苛めて、舌先でいやらしく愛撫し続ける。


「あぁ……んっ、や……あぁっ……」


……やがてリップ音と共に唇が離れていく。


「……っ！」


と思ったら、不意にまた戻ってきて。
かりっ……と乳首を軽く噛まれた。
息を飲む私を満足そうに見つめながら、顔を離す葉月くん。
ちょっとだけ痛くて、でも変に気持ちよくてじわじわと広がっていくその感覚は甘苦しい────。


……ああ、とたまらず深い息が漏れた。


葉月くんと見つめ合ったまま、胸にこみあげてきた想いを言葉にする。


「……葉月くんに言われたこと、今ならわかるよ」

「ん？」

「前に……『好きな人と抱き合うのって、すごく幸せを感じられるものだ』って」


葉月くんをぎゅっと抱きしめて。


「それって、ほんとだね」

「琴音……」

「そう思えるのが葉月くんで……すごく、すごくうれしい」


葉月くんからも抱きしめ返された。


「……僕もだよ」


腕が緩められ、間近にある彼の顔。
その優しい目に、たまらなくなる。