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宵闇
第16章 囚われる

そう──私は囚われてしまった。
そんな想いに。
好きで。
好きで好きでたまらなくて。
身体を重ねずにいられなくて。
……でも、それもいつかは終わってしまって。
また離れなきゃならなくなって。
──どうして?
離れたくなくてひとつになるのにどうしてそれは終わってしまうの?
どうして繋がったままではいられないの?
こうやって抱き合ったまま、葉月くんとずっとずっと繋がっていたいのに────。
「も……離れたくないのっ……!」
もっともっと深く……そう、いっそひとつに溶けてしまいたい。
なのに深く繋がれば繋がるほど快楽が嵐のように押し寄せて、その終わりが早くなって──終われば……やがて離れざるを得なくて。
私にとってはもどかしいくらいのその矛盾。
葉月くんは、うまく説明できない頭の中のぐるぐるした思いを、繋がったままゆっくり聞いてくれた。
私を宥めるように優しく身体を撫でてくれて……時折零れる涙を唇でそっと拭ってくれた。
話終わったあと、私の名をそっと口にする彼。
何度も、琴音、と。
髪を撫でながら。私を見つめながら。
「……そんなに僕のこと、好き?」
そしてそっと、呟かれた。
こくん、と頷く私をぎゅっと強く……強く、抱き締めてくる。
「僕も琴音を離したくないよ」
「……葉月くん……」
「終わりたくない。琴音をずっと抱いていたい」
……葉月くんも、一緒?
同じこと思ってくれてるの?
「こうやってずっと繋がってたいよね」
深く頷いた私の頬を撫でる、綺麗な長い指。
「でも……終わっても僕はまたすぐ琴音が欲しくなるよ?」
私の顔を覗き込むようにしてきた彼に
「私、も……」
一緒だと、想いを返す。

