この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
宵闇
第18章 動き出す


雪乃さんの同意を得た僕らは書斎へと移動した。

中に入り、奥へと進んだ父さんが椅子へと座る。

僕は後ろ手にドアを閉め、立ったまま、父さんを見た。


「……実は、琴音のことなんだ」


そう切り出した僕を父さんは黙ったまま見返して──やがて、ふっ……と軽く口元だけで笑った。


「……琴音、か。
いつからそんなふうに呼んでるんだ?」


……その言い方。
もしかしたら父さんは気づいているんだろうか。


緊張する。


けれど────。


「数ヶ月前。
……琴音と付き合い始めてからだよ」


一気にそれを打ち明けた僕を見るその表情は変わらない。


「……琴音が大学を卒業したら、一緒に暮らしたいと思ってる」


黙ったまま、僕を見ている。


「彼女と結婚したい」


──訪れた沈黙は、どれくらい続いたのか。

長いように思えたけれど、実際はそれほどでもなかったのかもしれない。
それでも、父さんが口を開くまでのあいだ……早鐘を打っている自分の心臓の音がやけにうるさく感じた。


「……おまえがあの子のことを好きだったのは前から知っていたよ」

「え……」


前から──って。


「志望校を変えたときあたりか。
……なんとなくだけどな」

「……そう」


そんなに前から知られていたのか──と、僕は目を伏せる。


/509ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ