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宵闇
第18章 動き出す


「──無理強いはしてないな?」


僕を探るようにも思えるその視線。


「してない」


はっきりと否定した。

……それだけはしてはいけないと、そう思ったからこそ何年も悩んできたんだ。


「そうか」 


ふっ……と、また元のように目が緩むのを確認し、自分の緊張もほっと緩んだのがわかった。


父さんが椅子の背に深くもたれる。
ギッ……と、軋む音がした。


「……結婚したいということは、軽い気持ちで付き合っているというわけではないんだな」

「そんな気持ちなんかで手を出しちゃいけない相手だってわかってるから」


そう──僕たちの立場を一度たりとも忘れたことなんかない。


「……そうだな」


父さんが息を吐く。


「おまえももう大人だ。そこまでわかってる上で、ふたりでそう決めたのなら……父さんからは何も言うことはないよ」

「じゃあ……いいの? 
僕が琴音と一緒になっても」


連れ子同士の結婚になるけど──父さんは許してくれるの?


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