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第19章 枷

「挿れて欲しいんだよね……」


そう言って一度琴音から離れ、ベッドサイドにあった避妊具を手にし、戻る。
　

「開けて」


それを琴音に手渡すと、戸惑いながらも受け取って僕をちらりと見てきた。
僕はその視線を一度受け止めて、それから逸らし、琴音の下着に手を掛ける。
あ、と琴音の漏らした声を確かに耳にしながら、僕はそれをするすると下ろして、片足を少し持ち上げそのまま足から抜いた。

立ち上がり、自分のベルトへと手を掛け、もうすっかり硬く、大きくなっているそれを出す。
琴音から受け取った避妊具を装着しながら彼女にちらと視線を送ると、なんだか少し不安げな目をしているように見えた。


……さっきはあんな艶っぽい顔を見せたくせに、今度はこんな顔をして。
そうやって僕のすべてを琴音はいつだってもっていくんだ────。


「挿れるよ」


戸惑っているようなその顔に


「ちゃんと掴まってて」


そう言いながら両腕を僕の首へと導く。

左手で琴音の右足を持ち上げると、琴音が少しよろけそうになった。
後ろの壁に寄りかからせながら、右手で掴んだ自分のものを琴音のそこにあてがう。
はっと息を飲んだ琴音の腕に入った力。
腰を少し突き上げると、ぬぷり……とそれがなかへと埋もれていく確かな感触を感じ、そのまま奥へ、ぐぐっと突き上げた。


「あぁぁ────……！」


身体を少し仰け反らせ、か細い声で鳴く琴音。


その声。
押し開いていくと同時に包み込まれていく、なかの感触。


……ぞくぞくっ、と僕の身体が震えた。