パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第19章 枷

思わず閉じた目。
漏れた、深い息。


「……だって一緒になるんだもん」


琴音の呟きが頭の中にするりと入ってきては、染みていく。


「葉月くんの気持ち。
それがたとえ口にするのもいやな気持ちだったとしても、話すことで少しでも楽になれるなら、聞きたい」

「琴音……」

「私が、聞きたいの」


……僕の想いのすべてを受け止めたいと彼女は言う。

頭の中が、琴音を愛するがゆえの暗い感情にたとえ囚われてしまっても、そこから救ってくれるのもまた彼女という存在なのか────。


「琴音……！」


僕は彼女を抱き締めた。
華奢な彼女の身体が壊れてしまうんじゃないかと思ってしまうぐらいに強く。


……愛してる。
本当に、愛してる。
琴音以上の人なんて、いないって──心から、思った。


そして僕は、ずっと言えなかった気持ちをようやく口にする。


「……いっそ本当に琴音を僕に繋いでおけたらいいのに。
一生、僕しか見られないようにできたらいいのに」


そう、その強い独占欲。


「誰にも取られたくないんだ」


まるで琴音がどこかへ行ってしまうのを阻止するかのように、また抱き締める腕に力を込める。　

　
「僕以外の男を好きになんてなってほしくない」


だから、いっそのこともう閉じ込めてしまいたい──と。


「そういうことを想像するだけで……もう気が狂いそうになるんだ」


はあっ、と深く息を吐くと、琴音が僕をぎゅっと抱き締め返してきた。