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宵闇
第5章 紅
手首を掴まれ、捕らえられた唇を激しく貪られた。
生き物のようにぬめぬめと私の口内を這い回る先輩の舌。
気持ち悪い──何でそんなふうに思ってしまうのかわからないけど、でもそれが本音だった。
長いキスからようやく解放され、はあはあと息を荒げて先輩を見上げる。
でも手首を押さえつけたままの体勢で見下ろしてくる先輩の顔がこわくて、思わずすぐ逸らしてしまった目。
「なんでそんな顔すんだよ」
途端にそう言われ、半泣き状態で再び先輩と視線を合わせた私に
「俺たち付き合ってんだろ?
……ってか、こんなのみんなやってることだって」
そう、呆れたように。
私の方がおかしいと言われているかのようなその言葉に、とうとう涙がこぼれた。
「……泣くぐらい嫌なのかよ」
「違────」
大きく何度も首を振る。
そんなんじゃない。
そういうんじゃないのに────!
伝わらないもどかしさに思わず目を閉じた直後、片手が解放された感覚。
え、と目を開けた私の視界に入ってきた先輩は、私のブラウスの胸元を開き、そのままブラを一気にずらした。
「え!? ちょっ、やだっ!」
咄嗟に自由な方の片手で露になった膨らみを隠そうとしたけど、先輩の手の方が早かった。
自分のコンプレックスでもある小ぶりな胸。
誰にも見られたくないと思ってたそれを、ぎゅっと掴まれる。
「痛い!」
その強さに思わず声をあげてしまった。
でも先輩は構わず、私を押さえつけていたもう片方の手も離し、両手で私の両胸を揉み続ける。
「やだっ……ね、やだ!」
先輩の手首を掴んで、首を振って必死で訴える。
でも、先輩は私の声なんて聞くつもりがないのか、真面目なこわい顔をしたまま息を少し荒げ、胸を触り続ける。