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第20章 条件

……でも。


「だめって言ったらどうするの？」


その言葉に、弾かれたように頭を上げてママを見た。


「だめって言ったら琴音は葉月くんと結婚するの諦めるの？」

「────っ！」


私は何を考えるまでもなく大きく首を振っていた。


「諦めない」


はっきりと口にし、ママの目を見る。


「……ママが反対しても？」


再度、聞かれる。


……反対、されても。
それでも────。


「ママが反対しても私は葉月くんと一緒になりたい……！」


こみ上げてきた感情が涙になって零れる。
それでも私はママから目を離さなかった。


「……でもやっぱりちゃんと賛成してほしいから……ママがもし反対でも、何度もこうしてお願いする！　
わかってもらえるまでずっとお願いする……！」


ママ、わかって。
私の気持ちはもう揺るがない。
誰に何を言われても、私は葉月くんとの未来を諦めたくない。


さっき会いに来てくれた葉月くんを思い出し、私に力を貸して、と願う。
ママに気持ちがちゃんと伝わるように、私に力を────。