この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
宵闇
第20章 条件


葉月くんとママのやりとり。


自分はこんなに愛されてる。
その実感は私をとても幸せな気持ちにしてくれた。
葉月くんに繋がれた手をぎゅっと握りながら、俯いて、静かに泣いた。


「……琴音がね」


ママが、再び話し出す。


「葉月くんのこと、私に反対されたとしても諦めないって言うの。
葉月くんとどうしても一緒になりたい、って言うの」


葉月くんが、握る私の手にきゅっとさらに力を込めてくる。


「友達と欲しいものがかぶったりするとすぐに譲ってた子なのにね」

「ママ……」


顔をあげると、私を見ていたママと目が合った。
私を見て、笑ってる。


「琴音は葉月くんのことが本当に好きなのね。
……好きな人が自分を好きになってくれるって、考えてみればすごいことよね」

「ん……」


こくこくと、何度も頷いた。


葉月くんを好きになって、葉月くんからも好きになってもらって。
それって、本当に奇跡みたいなことだと思う。


「琴音は、私の再婚を『ママが幸せなら賛成する』って言ってくれたわね」


頷く私に


「その言葉、そのまま返すわ」

「え……?」

「子供が幸せでいてくれたら、親なんてそれだけでもう充分って思うものなのよ」

「ママ……」

「葉月くんとこれからも仲良くね」


また私は何度も頷いた。
何か言葉にしなくちゃと思うのに、涙ばかりがこぼれる。


葉月くんが席を立ってママに向かって頭を下げた。


「絶対、大事にします」


そう、口にしながら。


「そうね。でも相手が葉月くんだもの。心配なんかしてないわ」


私はもう、嬉しくて。
全てが、本当に嬉しくて。


/509ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ