この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
宵闇
第21章 月影


「私より葉月くんがつけてよ」

「え?」

「葉月くんこそもてるから心配!」

「いや、もてないから」


その即答。
この前、小野さんに告白されたって言ってたくせに。


「……前から思ってたんだけど、琴音、たぶん勘違いしてると思うんだよね」

「勘違い?」

「うん。そもそもどうして琴音は僕がもてるなんて思うの?」

「だって優しいし……!」


かっこいいし、頼りになるし──と、他にもいろいろ挙げていくと、葉月くんが溜め息でそれを遮った。


「ねえ、琴音」

「ん?」

「僕……優しくなんかないけど」

「え? 優しいよ!」


葉月くんが優しくないなら、いったいどんな人のことを優しい人って言うの?


あのねー、と葉月くんが苦笑いしながら溜め息をついた。


「僕が優しくしたいと思ってるのは琴音だけだから。
他の人にはそんなじゃないからね?」

「え?」


そうなの?
私にだけ優しいの?


「だから琴音が思ってるほどもてないから」

「……そう、なんだ……」


葉月くんが続けた言葉はほとんど頭に入らないまま、私は返事を返していた。


……そっか。
私だけに、なんだ────。


そう──私にだけ優しくしてくれているという、葉月くんの言葉に対する返事を。



/509ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ