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宵闇
第21章 月影


「待ってて」


葉月くんが立ち上がる。
彼を見つめたままでいると


「……鞄、向こうなんだ」


そう呟かれ、あ……と、その言葉の意味をすぐに察した私も立ち上がり、葉月くんの腕を掴む。


「……あるよ?」

「え?」


葉月くんに背を向け、近くのチェストの引き出しから小さい缶を取り出す。


「これ……だよね?」


振り向きながら言い、葉月くんに渡す。
受け取った彼が缶を開けた。


「……葉月くん、今日泊まるかもしれないと思ったから……」

「準備してくれてたんだ」


嬉しいよ、と私を抱き締めながら頭を撫でてくるその優しい手。


「……琴音もしたかった?」


耳元で囁かれ、ぞわっとしたものが背中を走った。


「ん……」


彼にしがみつくように、その身体を強く抱き締め返し、頷く。


葉月くんが私の身体ごと数歩後ずさって、そのままベッドに腰をおろす。
葉月くんの膝の上に後ろ向きに座るような形になった私のうなじに押し当てられた柔らかなもの。


「ひゃっ……!」


思わず声を漏らすと、そのまま耳元へと濡れた感触が続く。
私の服にかかる葉月くんの手。
カットソーの裾を上に向かって引き上げられ、素直に手を上げてそれを手伝った。
キャミソールもそうやって、葉月くんの膝の上に座ったままで脱がされた。


ブラのホックが外される。


「あ……」


開放感からか、声がひとりでに漏れた。
そのままするりとそれも奪われて。


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